Detroit Become Humanをクリアした話

密かに今年は新たなゲームを10本クリアする目標を立てている。

Reviewこそしていないが、Detroit Become Human(以下、デトロイト)は3本目にあたる。(ちなみに、1本目はGravity Daze2、2本目はAnthem。これらのReviewもしたいが、プレイしてから時間が経ちすぎているため実際に行うかは未定。)

  • デトロイトとは
  • 良かった点
  • 良くなかった点
  • それでもおすすめしたいゲーム

デトロイトとは

2018年5月にフランスのゲーム会社クアンティック・ドリームによって発売されたPS4アクションアドベンチャーゲーム。人間とアンドロイドが共存する近未来のアメリカでアンドロイドが人間味を帯びてくる。それに伴いアンドロイドが人間に危害を加える事件が発生していき「アンドロイドが人間に使役しているのはおかしいのではないか?」という疑念をアンドロイドが持ち始めた中、3体のアンドロイドを主人公としてこの3体のドラマが絡み合う物語である。


 

良かった点

①ストーリーへの圧倒的没入感

本作品は基本的にはADVゲームのスタイルを取っており、プレイヤーの選択によって物語の展開が決まるマルチエンディングのゲームである。日常の何気ない会話から、「そんなことを選択させるのか」という残酷な選択まで多岐にわたる。この選択の積み重ねによってキャラクタを作っていることを如実に感じさせる構成となっており、その結果プレイヤーとキャラクタの間に不可分な関係性が生まれる。

QTEの判定の甘さ

デトロイトにはところどころQTEが存在している。もちろん、QTEもゲームの展開に大きな影響を及ぼしている。しかし、基本的にQTEは成功すれば思った通りの展開に、失敗したら想定していないネガティブな展開にしかならない。後述するが本ゲームのシステム上、リトライに非常に大きな労力がかかる。そのため、QTEで意図せぬ方向に物語が進むのは断固して避けたいところ。本作では比較的判定が甘い(連続するQTEのうちいくつか失敗したところで一連のアクションは成功と判定される。)ので、安心して進行が出来る。

③カメラのx軸y軸反転が可能

これは完全に個人的な評価である。私は主にTPSをプレイするときにx軸y軸ともに反転させるのが最も手に馴染むカメラ設定であるプレーヤーである。体感として、最近は左右はまだしも上下の反転が対応していないことが多くプレイするごとに直感的に動かないストレスを感じている。デトロイトはオプションからx軸y軸ともにノーマルと反転の選択が可能となっており、この点は非常にストレスフリーであった。

良くなかった点

①周回プレイが苦痛

恐らくプレイヤー全員の総意であろう。先述した通り、デトロイトはマルチエンディング方式を採用しているため1回だけでは全てを味わい切ることは出来ない。1つのエンディングを見た後に、自分の思った通りの展開にならなかった選択肢まで戻ってやり直したくなるのが性というもの。しかし、本作は
・コンティニュー出来るチェックポイントの少なさ
・一度見たシーンでもスキップ不可

の2点から別エンディングの回収に非常に労力がかかる。せっかく作り込んだストーリーをこのゲーム性のために堪能し尽くせないのがとてももったいなく感じる。

②操作性に難あり

基本的には選択肢を選んで物語が進んでいくと先述したが、その選択肢が出る場所を見つけるためにキャラクターを操作することがある。その際の操作性に

・プレイヤーの移動速度が遅く、小回りが利かないため、階段等を登れないことがしばしばある。
・カメラが癖があり、少し感度が悪め。(反転ができるなら感度調節もしたかった・・。)
・カメラ操作とアクションボタンが同じであるため、意図せぬアクションを発生させることがあった。

・カメラ操作をポインタ操作が設定を共有しているため、”カメラは反転したいがポインタは通常でいきたい”という私にはどっちつかずになってしまった。ここを分離できたらさらに良かった。

と難があり、快適にプレイできるゲームとは言いがたかった。

それでもおすすめしたいゲーム

これまで書いてきたように、デトロイトは作り込んだストーリーに深く没入できる最高のゲームである。一方で、リトライして他のエンディングを観るための労力が非常に思いゲームでもある。私は、これは

1回目もプレイで選択を真剣に悩み抜き、そこで得た結末こそその人の正史

であるとメーカーからのメッセージであり、1回目のプレイで到達しなかったエンディングはおまけ程度にとらえていいのではないかと考えている。確かにエンディングにはハッピーエンドやトゥルーエンドといったものが存在しているが、2周目以降にそれらを見ようとする行為は間違いなく”作業”の色を帯びるだろう。だからこそ、1周目のプレイに全力を注いでほしい。

おすすめのプレイの仕方は

1周目

・何があろうと攻略やネタバレを見ないで自分の意思のみで選択肢を決める

・3体いるアンドロイドにそれぞれ役割をつける。
私は捜査官のキャラクタは私の思考、葛藤を投影したキャラクタ=プレイヤーとなるように。女性のキャラクタは慈悲深いが娘を守ることが最も大事であり、そのためには冷徹にもなれるキャラクタ。3人目のキャラクタは青臭く、周りに呆れられてもどこまでも理想を追求するキャラクタとした。どういう設定にするかは各人の自由であるが、個人的にはキャラクタに役割を与えることによって選択がブレにくく、行き当たりばったりになりにくいのではないかと感じている。

2周目

1周目を歯を食いしばって通しでやった後、”どうしても納得行かない展開”になったところをやり直して、自分の正史の中でのハッピーエンドを見つける。

3周目以降

真エンディングやルート埋め等自由に行う。

ではないかと感じている。

良くなかったと感じる点ですら、世界観やメッセージの一部ではないかと思えるデトロイト。ぜひ悩み苦しみながら物語を紡いでいってほしい。